2015年5月17日日曜日

コハクチョウ旅に出る

4月22日から園内に滞在していた、
左翼を傷めたコハクチョウは、旅に出ました。

本日朝一番に、
「水鳥公園付近でコブハクチョウに威嚇されているコハクチョウがいる」
と発見者から連絡があったので、様子を観に行きました。


現場に到着すると、発見者の方のお話しどおり、
水面にはコブハクチョウが陣取り、
その上の陸地でコハクチョウが右往左往していました。




















コハクチョウを威嚇していたコブハクチョウ。
しばらく様子を見ていると、威嚇するのに飽きたのか、
コハクチョウから離れていきました。
このコブハクチョウも左翼を失っていました。

飛べなくなったハクチョウ同士、仲良くしてくれればよいのですが、
コブハクチョウはとても気性が荒い鳥。
そうはいかないようです。


















ようやくコブハクチョウから解放されたコハクチョウ。
しかし、水に入らずに、そのまま人のお散歩コースを歩き始めました。
散歩している人とすれ違っても平気で歩いているので、
今度は交通事故の恐れが出てきました。
野良犬やキツネにも襲われそうなので、水に入るよう誘導しました。


















しぶしぶ水に入って泳ぐコハクチョウ。
陸地をお散歩したい気分だったのかもしれませんが、
あなたにとって陸地はとても危険なのですよ。
水鳥公園の敷地内以外では、水の上にいてほしいものです。



こうして、コハクチョウは水面を泳いで去っていきました。
水鳥公園の外界は危ないので、是非、帰って来てね~。


今後、水鳥公園周辺で、
皆さんがこのコハクチョウを見かける機会があるかもしれません。
この個体は、飛べない以外はいたって元気ですので、
無理に追い回して保護する必要はありません(その方が事故を招く恐れが高いです)。
遠くから見守っていただきたいと思います。

ただし、事故に遭いそう、または、明らかに弱っているようでしたら、
鳥取県西部総合事務所(TEL:0859-31-9320 土日祝日は34-6211)
にご相談ください。

※上記は鳥取県西部で発見された時の連絡先です。
島根県内で発見された際には、
松江農林振興センター(TEL:0852-32-5662)が
相談窓口となりますのでご注意ください。

(きりぎりす)